てん茶や玉露の収穫に向けて、茶園に伝統的な覆いを設置する作業を始めました。この「被覆栽培」と呼ばれる栽培方法では、茶樹に当たる光を遮ることで光合成を抑え、旨味成分であるテアニンを高める一方、苦味につながるカテキンの生成を抑えます。その結果、より深い旨味を持つ、上質な日本茶が生まれます。
この作業は機械化が難しく、適切な時期を見極めながら、人の手で丁寧に行う必要があります。その負担の大きさから、覆いを使った栽培をやめる産地も少なくありません。
それでも、今なおこの手間のかかる伝統を守り続ける生産者がいます。彼らは一枚の茶葉が収穫されるまでに、数え切れないほどの時間を投じ、代々受け継がれてきたこの伝統を守り続けています。
この職人としての精神こそが、被覆栽培による抹茶を他の栽培方法の2倍のコストにするだけでなく、それに見合う2倍の価値をもたらしているのです。
